債権回収
「取引先からの入金が滞っていて支払いに困っている」
「執拗に働きかけをしても債権の支払に応じてもらえない」
「債務者へのアプローチ方法がわからずに、話し合いにすら応じてもらえていない」
債権の回収は、債権者が頭を悩ませる典型的な問題の一つです。企業活動においては、売掛金の未回収や取引先の入金遅れといったトラブルが日常的に発生しており、直接訪問をしても支払いに応じてもらえなかったり、話し合いにすら応じてもらえなかったりと、回収が困難なケースは多く存在します。
債権回収が困難なケースとは大きく以下の3つです。
①債務者の支払い能力が欠如している場合
②債務者に悪意があって、意図的に支払われない場合
③債権者側に問題があり得る場合
当事務所では、債務者の財務状況を可能な限り調査をした上で、債権回収の可否判断や催促に応じてもらうためのポイントなどをお伝えさせていただきます。
財産の調査については、弁護士も一私人でありますから、何でも調査できるということはありませんが、法人の本店所在地が持ちビルでないか不動産登記を確認する、代表者の自宅の住所地を法人登記で確認して自宅の不動産登記を確認する、本店所在地や代表者の自宅付近であたりを付けて、預貯金を弁護士会照会(23条照会)するなど、調査ができることもございます。
具体的な回収の方向性としては、書面での督促、電話、訪問、法的手続(支払督促、訴訟)…と、段々と手段をあげていき、相手方が危機感を得て支払うよう狙っていくことが多いですが、相殺等の手段で事実上回収できる場合にはこれを検討したりします。
悪意ある債権者に対しては執行逃れをされないようあらかじめ財産を仮差押えしておく必要があるかもしれません。場合によっては債権者代位権や詐害行為取消権の行使、債権者破産の申立てなどの強い手段を取っていく必要があるかもしれません。何とか強制執行にこぎつけた場合も、たとえば給与の差押えにおいて勤務先までグルだった場合などは、さらに取立訴訟などの手段を講じていく必要があるかもしれません。
債権者側にも問題があり得る場合、たとえば請負契約に基づき工事をし、その工事は完成(完了)しているものの、欠陥・不備が認められると主張された場合などはどうでしょうか。請求してきた側が、支払いをしたくないがゆえに責任逃れをしようとしているに過ぎない場合などもありますので、相手方の主張の正当性の検討が必要であり、相手方の主張が不当であれば毅然と支払いを請求し続けていくべきです。一方、こちらにも支払義務が認められてしまうだろうという見通しであれば、いかにして勝訴的な和解をし、一定の支払いを相手方から受けられるよう働き掛けることができるかを検討することになるでしょう。
債権回収は、「お金を払ってくれない」という事案ですので、極めてシビアに費用対効果を考慮しなければならないものです。場合によっては、手を引くべきかどうかも含めて、難しい経営判断が求められる分野でもあります。
万が一の有事の際の対応をスムーズにするためには、債権が焦げ付いてしまうといった有事に至る前に、常日頃から取引口座(メインバンク)を確認しておくとか、決算書等の情報をいただいておくなど、日頃の情報管理が重要です。継続的にクライアントと関わっていく顧問契約であれば、このような日頃のマネジメントに関する助言を差し上げ、一緒にシステムを構築していくことも可能になります。
プロがプロとして仕事をした以上、適正な報酬はいただくのは当然のことです。未払の売掛金が残っていると、社員にも、他のお客様にも、示しがつきません。回収に手間暇をとられ、本業に集中できないと、次なる活動に支障が生じていくのも明らかです。
債権回収はより専門的なノウハウを要する分野であり、一種の「カン」のようなものも必要で、幅広い知見と経験がものを言います。地方に密着して活動してきた弁護士が知識と知恵を用いてサポートいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。